コラム DX時代 〜第10回 CRM領域のDX
- hiro876
- 2020年10月16日
- 読了時間: 4分
このコラムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)に初めて関わる、またこれからDXに取り組む企業経営者やマネージャーの方々を対象に、DXとは何か?また企業がDXに取り組む際のポイントについてお伝えしています。
■DX時代のCRM(顧客関係管理)
新型コロナウィルスの感染拡大防止のために発出された緊急事態宣言も、先日5月26日にようやく全面解除となりました。感染予防を継続しながらも社会経済活動のレベルを徐々に引き上げていく段階に入りましたが、かつての日常に戻るにはまだしばらく時間がかかりそうです。
僅か2、3か月で、企業と顧客の関係性も大きく変わってきました。法人営業を行っていた企業は客先訪問を控え、また対面で接客を行う飲食業やサービス業も、店舗運営や販促手法を変えていく必要に迫られるなど、どの業界も少なからず営業戦略、マーケティング戦略に影響がでてきています。
コロナの影響が長期化しそうな今だからこそ、営業活動やマーケティング活動を見直すひとつの機会といえますので、今回は顧客関係管理(CRM)について取り上げてみたいと思います。
■改めて、CRMとは?
このブログを読んでいる皆様の企業でも、CRMを既に導入済みで活用されていたり、導入を検討したりとご存知の方も多いかと思いますが、改めてCRMについて解説したいと思います。
CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は、企業内の顧客情報を集約、一元管理することで、顧客に対する対応力を高めて、顧客の関係性強化や顧客の満足度向上につなげるシステムのことです。
顧客からの問い合わせや見積、注文、サポート状況やクレーム対応に至るまで企業と顧客とのやり取りが一元管理され、顧客と接点を持つ組織や従業員で共有管理されます。
このDXブログでは何度かxTechについて解説していますが、今回取り上げるCRMは、先端デジタル技術を用いて営業活動を効率化、自動化するSalesTech(セールステック)、また、先端デジタル技術によってマーケティング活動を自動化、高度化するMarTech(マーテック)のひとつとして改めて注目されています。
CRMは大きく分けてマーケティング段階を管理するMA(マーケティング自動化)、セールス段階を管理するSFA(営業支援システム)、アフターフォローを管理するカスタマーサポートシステムに分かれています。(ただこの定義もあいまいで、製品サービスによってはMAとSFAの機能が1つのパッケージとして販売されていたり、SFA、カスタマーサポートの1機能だけがCRMとして販売されていたりするケースもあります。)
■マーケティング活動・・・MA(マーケティング自動化)
MA(マーケティングオートメーション)とは、デジタルマーケティング(WEBサイトやメール、SNSなど)における顧客の動作や反応などを管理し、それらの情報から、検討段階の見込み客の購買の促進、さらにコミュニケーションによって顧客価値を高めて、再購入や口コミを促進する、といったマーケティング活動を自動化するツールのことです。
■セールス活動・・・SFA(営業支援システム)
SFA(Sales Force Automation)は、営業部門における顧客情報管理や、顧客へのアプローチをサポートするシステムです。営業のプロセスの管理や、商談履歴管理、営業報告、データ分析など営業担当者の活動を支援します。
■アフターフォロー・・・カスタマーサポートシステム
新規顧客の獲得、受注販売後に、サポート部門などで行なわれる顧客との対応履歴や受注状況などはカスタマーサポートシステムで一元管理されます。顧客コンタクトや社内業務履歴を管理、共有することで顧客との信頼性を高め、関係性強化を図ることができます。
■CRM導入企業における現状
近年ではSalesforceやMicrosoft Dynamics 365、HubSpotといった高機能で統合化されたクラウド型CRMプラットフォームが登場し、MA/SFA/カスタマーサポートといったCRM機能を一つのサービスでシームレスに利用できるようになりました。しかし、下図のようにMAはマーケティング部門、SFAは営業部門、カスタマーサポートシステムはサポート部門と異なる部門でシステムが個別に導入、管理されて、結果的に3つのシステムの情報が分断されマーケティング、営業戦略に十分活用されていないケースがよく見られます。
このコロナの状況下では、なおさら顧客や環境の変化への対応が求められます。マーケティングでは検索ワードやサイトの来訪頻度といった変化、アフターフォローでは顧客の困りごとや要望、クレームなどの変化を見極めながら営業、顧客関係強化につながる情報として全社的に対応する仕組みを作っていく必要があります。
このブログの第5回でも取り上げた通り、経営者自らが先頭に立ってCRM導入の背景や目標を明確にすることが重要となります。
次回のブログでも引き続きDX時代のCRM活用を解説したいと思います。
以上
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