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コラム DX時代 〜第7回 2020年を迎えて ~ これまでのコラムの振り返り ~

このコラムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)にはじめて関わる方、これからDXに取り組まれる方を対象に、DXとは何か?また企業がDXに取り組む際のポイントについてお伝えします。


みなさま、新年明けましておめでとうございます。BIPの小川 浩幸(おがわ ひろゆき)です。

DX元年とも呼ばれた2019年が終わって、新たに2020年を迎えました。今年は経済産業省にて、企業の戦略的なシステム利用の指針となる「デジタルガバナンス・コード」の作成、また同指針に沿った企業の格付け制度「DX格付(仮称)」がスタート予定です。またAI人材の育成支援事業も予定されるなど、昨年に引き続きDXが企業の重要テーマの一つとして注目される1年になりそうです。

さて新春初回となる今回のブログでは、昨年投稿した第1回~第6回コラムでご紹介したDXの解説を改めておさらいしていきたいと思います。


■DX全体図(第1回目~6回目までのおさらい)

これまでのコラムでお伝えした「DXが注目される背景」、「DXの目的」、そして「DX推進の取組み」の概要を下の図にまとめています。

図:DXの全体像


 この全体図をもとに第1回目~6回目のコラムの内容を振り返っていきましょう。


■第1回 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

第1回では、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?について触れました。

DX(デジタル変革)は「新たなデジタル技術を活用してこれまでにないビジネスモデルを創出・柔軟に改変すること」です。様々な業界で、AIやIoT、ビッグデータといった最先端のデジタル技術を取り入れた新しいビジネスモデルが数多く生み出されていることをご紹介しました。


■第2回、第3回 DXが注目されている背景① 2025年の崖

 第2回、3回では、なぜDXが注目されているのか?DXが注目される背景の1つとして「2025年の崖」を解説しました。


図:DXの背景と目的「企業視点のDX」


 経済産業省が2018年9月に公表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」では、日本の各企業がデジタル変革のためにかけられるIT予算、人材が今後ますます不足していく傾向にあり、2025年には国際競争力の低下、システムリスクによる経済損失の肥大化が予測されており、「2025年の崖」として問題提起されています。


2025年の崖として問題提起されている4つの問題

①2025年には、基幹系システムを21年以上稼働している企業の割合が全体の60%を占めるようになる。

②企業のIT予算の90%以上が、ランザビジネス(保守運用)予算に費やされ、バリューアップ(研究開発、業務効率化など)の予算が捻出できなくなる。

③既存システムの保守運用のためのコストがかかり、IT人材もそちらに費やされる。結果、2025年の試算としてIT人材が約43万人も不足する。

④既存システムの老朽化やブラックボックス化に起因するトラブル、システムリスクが高まり、試算として2025年以降、年間で最大12兆円の経済損失が発生する。


これら2025年の崖の問題、また国内の人口減少と生産性の低下といった企業内の課題を解消し、業務の効率化や自動化を実現する目的からDXを推進する企業が増加傾向にあります。

第4回では、この2025年の崖をどのように乗り越えていくか、長年運用し続けている旧態依然システムの刷新をどのように対応していくかについても解説していますのでよろしければ遡ってご覧ください。



■第4回 DXが注目されている背景② 産業の創造的破壊とゲームチェンジ

第4回では、なぜDXが注目されているのか?DXが注目される背景の2つ目として「産業の創造的破壊とゲームチェンジ」を解説しました。

スマートフォンを所有するユーザーの約3割が利用しているといわれるQRコード決済、そして10年前に登場したiPhoneの事例をもとに、デジタルビジネスにおける創造的破壊、ゲームチェンジについて解説しました。


図:DXの背景と目的「サービス視点のDX」



「創造的破壊」とは古く保たれた秩序を壊して、新しい経済産業を創造し、さらには社会全体の生産・品質・サービスを向上させていくことです。

そして「ゲームチェンジ」とは、従来からの見方や考え方を変換させて,人々の行動様式や社会の制度を一から変えてしまうような技術的変革や社会的変革のことです。

上図に記載のUber、AirBnBに代表されるようなシェアリングエコノミー(インターネットを介して個人と個人の間で使っていないモノ・場所・技能などを貸し借りするサービス)、Amazonや各SNSサービスといった創造的破壊、ゲームチェンジを代表するサービスが次々と生み出されています。このような短い期間で創造的破壊やゲームチェンジが繰り返される背景から、「デジタルによる新たなビジネス創出」や「顧客体験の創出」を目的としてDXを推進している企業が増えてきています。


■第5回 企業におけるDXの取組み (「戦略・目標」「組織・体制」)

第5回では、企業がDXに対応していくためにどのような取り組みを行っているのか?企業の様々な取り組みのうち「戦略・目標」、「組織・体制」に関わる取り組みについて、DX推進企業の事例を交えて解説しました。

図:DX推進の取組み「戦略/組織体制」

 戦略・目標の視点として、DX失敗の主要因となっている「デジタル化のためのデジタル化」(デジタル化そのものが目的になっていること)に陥らないよう、DXの目標を経営視点で明確にすることの重要性を解説しました。

また組織・体制として、DX推進を検討する事業関係者・デジタル技術担当者が一体となった全社的なDX推進プロジェクト(企業によってはDX統括部門)を設けること、またDX推進のために経営層自らが積極的にDXに関わっていくことの重要性を解説しました。


■第6回 企業におけるDXの取組み (「制度・プロセス」)


図:DX推進の取組み「制度・プロセス」


そして、前回の第6回では、企業におけるDX推進にあたっての「制度・プロセス」に関わる取り組みについてDX対応企業の事例を交えて紹介しました。

DX推進の制度の事例としては、事業提案を促すための人事評価制度、全社でDX人材育成の好事例を共有しあう取り組み、社員のデジタルサービスにおける情報共有スペースの設置、各事業に対して個別にDX予算をつける制度などを紹介しました。DX推進のためには、組織体制の構築のみならず、社内の新しい挑戦、継続的な挑戦のマインドセット醸成、活動を支援する制度が必要であることをお伝えしました。

また、DX推進のプロセス(過程や方法)においては、DX対象となる事業内の機能やサービスを細分化し、ビジネス要求の変化を受け入れて、変化に適応する取り組みを図っていく手法(スモールスタートやアジャイル開発)を紹介しました。あわせて、ビッグデータを活用したビジネスの高度化を図っていくためにも情報(データ)の集約化の必要性についても解説しました。


■まとめ

 さて、これまで第1回目~6回目で解説したDXの概要を振り返ってみました。コラムを途中から読まれた方は、過去のコラムも参考にしていただけると幸いです。

次回からは、今日まとめた概要をベースに、より具体的に先端技術を活用したDXの事例の解説をスタートしたいと思います。

それでは本年もよろしくお願いいたします。

以上

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